malicia witness 2階の目線2008
J1リーグ ヤマザキナビスコカップ グループリーグ

4月16日 大宮アルディージャ  ニッパツ三ツ沢球技場

パスの出しどころがないのか、栗原から山なりのボールが相手ゴール前に向かって蹴りだされる。鋭さのないボールに、ロニーも軌道を目で追うくらいでチャンスは潰えたかに思われた。
「えっ。あれっ!?」
キーパーが「オーケー!」とか「キーパー!」とか一声かければ処理できたはずのボールは、大宮のCB丹羽の頭に当たって大きく跳ね返ると、中途半端なポジションを取っていたGK荒谷の頭の上をはるか越えて、大宮ゴールに音もなく吸い込まれた。

スタジアムに着いたのはキックオフ5分前、ホーム側の席を早々に諦めてアウェイ側の自由席に陣取る。ここ数シーズン、大宮相手に苦戦を続けてきているトリコロール。その大宮のスタメンを見ると、レアンドロも波戸も吉原もいない。日曜の浦和戦に備えたのか、それとも単にこの戦力でもマリノスに勝てると踏んだのか、「メンバー規定」ギリギリでキックオフを迎えていたらしい。

トリコロールと大宮の試合はお定まりのパターンがある。ラインを整えて守りを固める大宮を攻めあぐね、エアポケットから失点を許すとあとは守りを固められ、いつの間にか時間だけが過ぎてそのまま試合終了…というパターンだ。失点こそなかったものの、先日のアウェイ大宮戦も同じパターンでスコアレスドローだった。

この日もそのパターンは踏襲される。違いがあるとすれば、大宮のDFラインとGKの連携があまりに酷い。これだけメンバーを入れ替えれば当然なのかもしれないが、そのプレー振りはあまりに自信なさげに映った。

15分過ぎ、坂田の突破から相手ゴール前でボールをつなぎ、走りこんできたロニーがペナルティエリア外から放ったシュートは荒谷の手をかすめて逆のサイドネットに突き刺さる。柏戦で初ゴールを決めたロニーの、シュートの上手さを感じさせるゴールだった。

そして35分、大宮の西村が小宮山の突破についていけず、誰の目にも判るファウルで止めてしまい2枚目のイエロー。1枚イエローをもらっている選手のするプレーではなかった。判定に抗議することもなく、タッチラインからピッチを出て行く西村。

山瀬がFKを蹴り、そのボールが坂田の頭に当たる。空に向かって上がったようなボールが、またも中途半端なポジショニングの荒谷の頭を越して大宮ゴールに吸い込まれる。1点目とまったく同じ形での得点。先ほど退場した西村はゴールラインの裏を歩いてそのさまを見ていたが、ゴールが決まった瞬間頭を抱えていた。

ハーフタイム、仲間たちと雑談を交わす。
「早めにもう一点取って功治を休ませたいね」
「こういうときこそ、宏太とか幸宏とか試して使ってあげたいけど」
試合の大勢はすでに決している。あとはいかに若手を試せるか、に興味が移っている。

後半開始早々、相手DFが頭で処理しそこなったボールにロニーがすばやく反応してゴール。アウェイ側からはロニーが相手に突っかけたように見えたのだが、帰宅して映像を確認するとここも単純に相手のGKとDFの連携ミス。大宮にすれば、4点のうち3点は防げたはずの失点だったのではないか。

アウェイ側の自由席でで90分間観戦していて気づいたことがある。後半、大宮の攻撃時やセットプレーに対しては哲也が声を出して指示を出しているのが聞こえたが、前半には大宮守備陣の間でそうした声が出ていた様子は皆無だった。ただでさえ連携に不安があっただろうスタメンに、適切なコーチングや確認ができない守備陣。これは試合に臨む以前の問題だったのではないだろうか?

4点のリードもあり功治もロニーも早々に交代。その後は大きなピンチもチャンスもなく時間が過ぎる。気がつけば小林大吾もペドロジュニオールもピッチを去っていた大宮は、攻め手もなくリスクを負うでもなく、偽の10番だった内田が時折突破を見せる程度。いつものトリコロールと大宮の試合。いつもと違うのはトリコロールが4点のリードを得ているという一点のみ。

試合後、仲間たちのもとへ行き感想を述べ合う。やはり4−0の完勝でも皆満足はしていない。今日の試合は、結局のところ開始早々のオウンゴールが試合を決めただけだったからだ。
「大宮がひどすぎて参考にならない」
「大宮はダービーに主力温存したんだよ。埼玉ダービーは絶対勝てよ大宮」

相手が一人少ないにもかかわらず、勝負に行けない隼磨にも不満の声が。
「何回栗原とパス交換してたんだか」
「左サイドがイキイキしてるだけに、なんとか右を使いたいんだけど…」

試合後のナビゲーターの「クオーターファイナル進出決定です!」のアナウンスにも、
「ホントかよぉ!?」
「3試合消化しただけなのに決まるわけないだろ!」
の声が。
(後日、やはり決定したわけではなかったことがチームから発表された)
なぜか締まらない結果になってしまうのは大宮戦だからか?

それでも4−0の快勝。三ツ沢から駅までの足取りも軽い。充実したプレーの山瀬、左サイドで躍動を見せる小宮山。そして北京を視野に入れつつある裕介。彼らのプレーぶりに話も弾む。次のリーグ戦は中二日。ホームで負けていないという事実が、トリコロールの試合に対する期待を高めてくれている。


今日のポイント

●4月のナイターでも絶好の観戦日和。
●相手のミスをしっかり点に結び付けられた。
●ハーフタイムに到着した青森からの修学旅行生。
 前半から見せてやりたかった。
●大宮で一番頑張っていたのはサポーター。
●荒谷はもう見られない気がする。

                            白火










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