| malicia witness 2階の目線2008 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| J1リーグ 08-09シーズン 4月19日 清水エスパルス 日産スタジアム 今年は優勝、と期待が高かったデレオだが、降格圏に沈んでいる。チョが抜けた穴も大きいがディフェンスラインも弱点を見せている。まだ序盤だが、レギュラー選手の入替などの采配をみると、サポーターから過剰なプレッシャーがかかっていることをうかがわせる。 ファーストプレーでハユマが猛ダッシュ。 「いいぞ!!」 「行け!ハユマ!!」 積極的な右サイドに牽引されてトリコロールの攻撃はスムーズ。 「勝負だ!!」 「勝負!!」 「撃て!!」 ファーストシュートはハユマ。 「今日のハユマはいいじゃないか。」 桑原監督のサッカーは丁寧だ。細かくパスを繋いでボールを動かしていく。昨年の甲府のサッカーをもっとエレガンスにした感じと表現すればイイだろうか。ポゼッションで圧倒し、デレオにボールを与えるない。ボールを与えても、前線と松田が前後からプレスして自由に展開させない。昨年と比べると、守備面でもクレバーな組織プレーが格段向上している。 山瀬のドリブル突破。次の攻め手は、左サイドに起点を作り、その更に左の大外を兵藤が全力で駆け抜けて追い抜かし、スルーパスをもらってクロス。 「いいぞ兵藤!!」 「素晴らしい!!」 「いいねぇ兵藤。」 ボランチ兵藤が個性を発揮したシーンだ。 山瀬が回転から大島に預け、戻ったボールをサイドへ。開いていたロニーは左脚で強力なミドルシュート。連続攻撃に腰が浮く。ロニーは、この2試合ですっかり私たちのハートを掴んだようだ。わかりやすいチャントの効果も後押しし、ロニーがシュート撃つと、スタンドは格別の盛り上がりを見せる。手拍子、歌声、その全てがワンランクボリュームアップするのだ。 山瀬のクロスのこぼれ玉を兵藤が強烈ミドル。 西部がギリギリのセーブ。 「ここで一気に押し切らないと。」 「そろそろ点がほしいな。」 「ずっと攻め切れるとは思えないから、流れが変わる前に得点しないと。」 そんな状況を察してか、左サイドで起点を作っている間に、逆サイドからペナルティアリアに侵入してくるハユマ。惜しくもパスは繋がらない。それでも、惜しみない拍手と声援が飛ぶ。 「いやぁ、ハユマいいね。」 「こういうハユマを見たかったんだよ。」 「ハユマ、今期一番のデキだ。」 「まだ20分くらいしかたってないけど。」 枝村が治療のためにピッチを離れる。 一人多いのにもかかわらず、ボールが縦に入らずに無駄に時間を浪費。その後はパスミスでタッチからボールがアウトする。 「こういうので流れが変わっちゃうんだよ。」 「しっかりやらないと。」 その結果、やって来たのはフェルナンジーニョのフリーキック。ピンチを招く。 全体には圧倒している。 フェルナンジーニョのフリーキック以外には決定的なピンチはない。パスを回している。小気味よいリズムでボールを動かすことはできている。時たま、サイドのスペースに長いスルーパスを入れることもできている。しかし、足りないもの・・・それはシュートだ。 「シュート撃て!」 「もっと単純にゴールに向かっていかないとゴールを奪い得ないよ。」 「シュートを撃たなくても点をくれるなんて甘いチームは大宮だけなんだから。」 上手く試合を運べているが、ゴールヘの距離が縮まっていないことがもどかしい。 そのまま、前半を終了。 「なんだか、デレオが凌ぎ切っちゃったって感じだな。」 「どうみても失点する気配がない試合でゴールを奪えないのはもったいない。」 「後半の入り方が悪いなぁ。」 前半の圧倒を忘れてしまったような緩い立ち上がり。初めてのコーナーキックからの失点。 「誰も競っていないじゃないか。」 ホーム初失点。気分を切り替えなければならない。失点前から延々と続く、新曲練習会のようなチャント。何事もなかったかのように時間が経過していく。哲也の意味不可解な焦りのゴールキックも流れを断ち切る悪効果。ゴールキックを素早く蹴るのは悪くないが、そのボールがボテボテのユルユルボールなのでデレオのディフェンダーがボールの受け手をすっかりケアしてしまい、ボールは仕方なく哲也に戻ってくる。本当は「早く蹴る」ことよりも「早く味方に繋ぐ」ことが重要なのだ。 この失点から10分程の間で、デレオは、すっかり陣形を整備して共通意識で守りを固めている。対応できないトリコロールはディフェンスラインでボールを回す。そしてパスミス。後半に入って急にゲームを上手く運べなくなったことが心理状態に悪影響を与えるのか、攻撃はチグハグ。 「撃て!!」 その瞬間に大島の右脚下にはボールがあり、ゴールヘのコースは空いて見える。しかし、大島は目の前にディフェンダーをかわして更に安全策を採ろうとしたのかフェイントでボールを左脚に持ち替えてシュート。結果、ボールは大きく枠外へ。 「坊ちゃんじゃないんだから。」 「レフティーかよっ。」 直後にデレオは西澤に代えて矢島。さらに前線からの守備を固めるつもりだ。左に原が移る。完全に守備固めだ。 兵藤がゴール前に現れてバイシクルシュートでゴールを強襲するシーンで、やっとスタジアムの雰囲気が変わる。2階席の拍手と手拍子は大きくボリュームアップ。この状況を打開したい、その想いが、やっとスタンドに広がって、みながアクションを起こしたのだ。 両サイドに複数の選手を置いて守備を固めるデレオ。 昨年までの大宮戦で何度も見られた堅い守備に手こずる展開になっている。 「おっ、今日は選手交代が早いぞ。」 「それだけ上手くいっていないってことだね。」 流れを変えた想いを共有できている兵藤は、猛然とダッシュしてピッチ外へ。それにつられてロニーも素早くピッチ外へ。代わって坂田と宏太が入る。 松田の渾身のドリブル突破、小宮山の右脚シュート、カウンターでフェルナンジーニョがトリコロールのゴールを脅かす。さらにはデレオが原を外してディフェンダーの岩下を投入。 苦しい試合にセットプレーで活路を見出す。 それは本来のトリコロールの伝統。中沢の姿がピッチから浮き上がった瞬間に、ゴールをスタンドは確信。あとは的確にボールをヒットしてゴルーネットを揺らすだけだ。 「行け!!」 「もう1点だ!!」 総立ちのバックスタンド2階は想いを一つにしている。 デレオの選手たちは勝ちたいらしい。矢島は角度のないところからシュートを放つ。その裏を突いてトリコロールもカウンター。勝ちたい。どうしても、この試合を勝ちたい。寒風の吹く日産スタジアムが一段と熱くなる。しかし、時間は足りない。浪費しすぎたのだ。 前半だけを見れば完勝すべき試合。 後半だけを見れば負けなくて良かった試合。その複雑で微妙な評価がスタンドで意見を活発化する。ただ、スタンドから見る限り、選手たちに表情には、勝てなかった悔しさが色濃く浮き出ている。 「それと腹が立つのはデレオだよ。そりゃ勝てないのはわかるけれど、サッカーどころと自負するならば、あんな守備サッカーしていいのかよ。あれじゃ弱小地方クラブじゃないか。」 「アウエーだからって恥も外聞も気にしないサッカーだよ。」 「でも、ホーム無敗を継続。ホームで負けないことは重要だよ。」 「大分では、あ〜んな遠くまで行って負け見せられるのは嫌だな。絶対に勝ってもらわないと。」 「大分行く人、応援よろしくね。」 マリーシアのM君は言う。 「引分けの価値は、次の試合で決まる。」 今日の日の引分けが勝ち点1を得たのか、勝ち点2を失ったのか、結論は次節に導きだされるのだ。 今日のポイント ●攻めの起点はボランチ松田。 ●途中出場で流れに乗れなかった宏太。 ●本来の力を発揮したハユマ。 ●西澤の前でヘディングをかぶり失点の責任を感じた悪影響か プレーの空回りが目立った大島。 ●セルフジャッジが多く慢心の兆しがあるディフェンスライン。
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