malicia witness 2階の目線2008
J1リーグ 08-09シーズン

5月3日 クラシコ(ヨミウリ)  国立競技場

後半開始早々に裕介がヘディングを空振りしピンチを招く。ハーフタイムのインターバルを挟んでも膝の状態は回復をしていないようだ。あの前半の失点も、やはり膝の状態が悪かったからなのだろう。それは前半終了が近づいた時間帯での出来事。裕介はヨミウリ選手と激突し膝を強打。一時、ピッチを離れて治療する。ピッチに戻ってすぐに裕介の前にクロスが飛び込んでくる。普通であれば脚でクリアする弾道のクロスだが、あえてヘディングを選択して空振り。フリーとなったフッキに決められて失点を許す。あまりにもみっともない失点だった。しかし、裕介の後半に入っても精彩を欠く姿と、不自然な足の送りを見て、私たちは予想以上に裕介の膝へのダメージが大きいことを知る。

ロニーの素晴らしいゴールで同点。

15年前も後半開始直後にエバートンのゴールで追いついた。ここから同じように攻勢をかけ、逆転勝利という試合の流れかと思われたが、あっというまに中央突破を許し、再び追いかける立場に。さらにはディフェンスとゴールキーパーの連携ミスで失点を重ねることになる。勝利への道を最後まで見つけ出すことはできなかった。

右はハユマが前節に続いて縦横無尽のアクションを繰り返している。

ロペスの運動量をカバーすることもできている。逆に第一節から機能していたはずの左サイドは、完全に壊滅している。なぜなら裕介が高い位置にポジションを取らないからだ。ディフェンスラインにへばりついた裕介からの攻撃は小宮山に単純なパスを右足で送るばかりだ。失点の原因を作ったのは自分だと判っているのだから、守備だけではなく攻撃でもチームに貢献し、何が何でも同点に追いつきたいことだろう。だが、膝の状態から、裕介は、それを自重せざるを得なかった。守備においては小さな切り返しにもついていけず、ドリブルにも置き去りにされる、それが彼の状態の証明だ。

スタンドからでも判ることだ。

守備のスペシャリストの柱谷哲二が、これを見逃すわけが無い。裕介の前にフッキとディエゴを立たせる。ゴールキックで狙い撃ちにする。
「狙われてるじゃねぇか!!」
「桑原!裕介を代えてやれ!!」
「兵藤を入れて松田を下げるとか、やりようがあるだろうよ。」
「勝つ気があるなら、裕介を代えて攻めに出ろ!」
「桑原は、この試合を捨てたのか!」

裕介に試練を与えたのではないか、と言う声もある。しかし、この追いつめられた局面で、試合を捨て、内容を捨て、クラシコを捨てることが許されるというのか。単純にクラシコだから勝たなければいけないというのではない。ただ、この試合においては、なんとか名門復活を遂げようという想いで、フロント陣、スポンンサー企業、媒体社などが協力し合ってキャンペーンを張ってきた。それだけ関係者にとっても大切な試合であるのにもかかわらず、桑原監督は勝負に徹することを止めた。あれだけ狙われ、トリコロール全体が守備のバランスを崩し、思うような攻撃も行なえないというのに。

「桑原、寝てんじゃねぇのか。」

怪我で戦列を離れていた河合が練習に復帰した。裕介にとっては、ここから厳しいポジション争いが始まる。ここで途中交代してはポジションを失いかねない。だから、裕介が自ら交代を申し出ることはあり得ない。今瞬間の闘いの重要性を知っている選手は勝つために死力を尽くすのだ。しかし手負いとなってしまったために守備も攻撃も戦力ダウン。総攻撃ができない。この状況を桑原監督は、どのような気持ちで見つめていたのだろう。

プレーが途切れたときに松田と中澤が長い相談をしはじめる。攻めたい気持ちがありながら攻められない。前にポジションを取りたい松田が我慢して深めの位置で裕介をケアしている。松田とてポジション争いのライバル。しかし、松田は裕介を守っているのだ。

裕介がやっと攻撃に顔を出したのは86分。残り時間が少なくなって、裕介はドリブルで自らの責任を果たそうとする。もう失点を恐れても仕方ない。裕介を守っていた松田もゴール前にまで顔を出す。今日は3失点を喫した。しかし悪いのは裕介じゃない。ここまで全力で闘っているではないか。

試合後のインタビューで裕介は最初の失点に関して「足が痺れていた」と語った。「痛かった」のではなく「痺れていた」のだ。スタンドの前でブーイングを浴びる選手たちに精一杯叫んだ。
「よくやったぞ!」
「お前ら、頑張ったよ!!」
指からは血が流れ手拍子を打っていた手のひらは赤く染まっている。大粒の涙を流し足下のコンクリートが濡れている。ここまで悔しい思いをしたのはいつ以来だろう。ヨミウリに負けたこと、ヨミウリに勝とうとしない監督がいたこと、選手たちが全力を尽くしたのにもかかわらず批判を受けていること。全てが嫌だった。座り込んで、しばらく動くことができなかった。スタンドの人影はまばらになり、ピッチ上の片付けも進んで、先ほどまでの熱狂が嘘のようだ。

試合後に、価格の安さでも知られる「世界の山ちゃん」で、久しぶりにやけ酒をくらった。
「天気がよくなってきたから桑原の野郎、絶対に寝てた。」
「寝るわけはねーだろ!」
「いや、俺は見た。寝てた。それでゴールの歓声のときにビクッとして起きたんだ!!」
「んなわけねー。」
「だってよぉ、桑原寝てるとき、鼻のところから、こーんな大きな風船が膨らんでたじゃんか。」
「それは俺も見た。で、パーンと割れてビックリして起きてた。」
あの店は10人で42,000円も使うところではない。


今日のポイント

ロペスと山瀬の連携が少なすぎる。
●裕介の怪我まではなにもできなかったフッキ。
●アトラクションでビジョンに顔が映るだけでブーイングされた武田。
●アトラクションではヒールキックで蹴るべきだった城。


石井和裕

スーパーサッカーで15年前の自分の姿が映っていたそうだが、さっさと寝たので見ていません。この闘いの重みを共有できない監督にガッカリしました。

裕介の頑張り

600

裕介をカバーしながら奮闘した松田

400

リーダーとして統率した中澤

200

ロニーの技あり1点目

600

ロニー熱狂の2点目 

400

クラシコ演出      

500
93年頃の仲間たちがスタンドに来てくれた
200
ユニフォームのトルソーがエロかった
100
山ちゃんで明るいうちから飲み過ぎ
4200
舐めてるのか桑原
-4200
3000

白火

田中裕介という選手がトリコロールにいること。その選手を応援できることを、僕は誇りに思う。

雨上がりの国立            

500

伝統の一戦に埋まったアウェイゴール裏

700

そんなに怖くもなかったフッキ

50
前半の両翼の積極性          
300
ロニーの意地の2ゴール        
800
裕介をケアする松田・中澤      
1000
痛みながらも最後まで走った裕介
2000
福西にだけはやられたくなかった 
-500
不可解な采配とスタンドのブーイング
-4000
850

stan

左膝が傷んでまともに動けない裕介を最後まで使い続けた結果、そこを狙われ3失点。この敗戦は重過ぎる。

久々の国立

100

久々の読売戦

100

久々のロニーゴール

1000
ロペスにJ1は無理なのかな
-200

桑原監督

-5000

アウェイで勝てなすぎ

-300

下村副審

-200
-4500

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