malicia witness 2階の目線2008
J1リーグ 08-09シーズン

7月6日 川崎フロンターレ  等々力陸上競技場

残留争い圏内まで、勝ち点差は僅かに1となる。試合後のゴール裏は重苦しい空気に包まれる。疲れ切った目の前にいる選手達は全力で闘った。2つの失点は背番号1の稚拙なミスによって生み出された。だが、そのことに気が付いたのは帰宅してからだ。そんなミスよりも、もっともっと大きな問題が、このチームには横たわっている2001年は残留争いをしてもしかたない戦力だった。しかし、今年は違うはずだ。それだけに、この結果が歯がゆい。優れた能力を持った選手達が、やるべきことを見失い、迷い、そしてインタビューでは「内容は良かった」と話している。トリコロールは完全に舵を失い迷走に入った。

松田と中澤が大きな声で叫んでいる。表情は厳しい。まったく余裕が感じられない。河合の両サイドにジュニーニョが揺さぶりをかけると、トリコロールの守備は簡単に崩れた。両サイドバックの攻撃参加を防ぎ、ボランチ一人の防波堤を打ち破るには当たり前すぎる序盤のハッタリにトリコロールは浮き足立つ。
「おいおいヤバいぞ。どう守れば良いのか判らない感じになってる。」
「兵藤はついて行こうと思って振り切られているから目立つけれど、河合は、どうついていいのかも判らない状態だ。」
「これはマジでヤバい。」
ピッチ上の様子を見ると、この事態は想定外のようだ。これくらいの攻撃が想定外になってしまうことの方が私たちにとっては想定外なのだが。

そしているうちに、あっと言う間に先制点を失う。

私を含め、このとき、何人かの仲間は大量失点を覚悟した。まったくなす術無く、振り回されたままで失点に至る。反撃の糸口が見えなかったのだ。準備にないままに90分のゲームが始まった、これぞ、まさに最悪の試合の入り方だ。

失点をしたからには、攻めなければならない。しかし、ここから始まったのはトリコロールの反撃ではなく、早く美しいフロンターレの波状攻撃だった。右に左にボールが地を這って動き、縦に斜めに人が走り込む。これこそがポゼッションサッカー。トリコロールは、なんとかボールを奪っても、無理なドリブルと動きの少ない小さな中央突破の強行でチャンスには至らない。この試合も先発で起用された清水は、サイドを縦にドリブルしても、ある程度まで進むと中に方向を変えて入ってきてしまう。フロンターレの守備陣にコントロールされてしまっているのだ。

「兵藤!!走れよ!!」
「小宮山!!!上げっておけ!!」
攻撃陣は単調で孤立している。大島はサイドに流れるがボールをもらえない。フォローの中盤選手は上がってこない。何もかもが絶望的な展開。しかし,見方を変えれば、あの混乱状態を耐えて、よく凌ぎきったとも言える。良い意味で解釈をすれば、攻撃の枚数が少なかったのは、松田を中心にピッチ上の選手が解決策を探り、中盤の選手が前がかりになることを自重(というかベタ引き)し、追加点を失うことを回避したから後半に望みを繋ぐことができたのだろう(と信じたい)。なんと前半も残り時間が僅かとなったところで山瀬のフリーキックが直接ゴールに飛び込む。あまりに見事で、川島が一歩も動かなかったこともあって、等々力競技場は一瞬空気が凍る。そして、アウエーサイドの一角だけが激しく歓喜の波を揺らす。試合展開はこれで判らなくなる。

後半もピッチに清水が戻ってくる。

清水といえば、シュートに関しては信頼をされていないものの、守備や中盤の繋ぎ役としてはサポーターから大きな信頼を得た気が利く貴重な選手だったはずだ。しかし、今シーズンは自由奔放なプレーを繰り返し、攻めでも守りでもサポーターを納得させているとは言いがたい。おそらく監督の指示に従ってのことだろう。

まったく大島との連携がなかったロニーが坂田と交代。54分での交代は桑原監督にしては緊急事態といえる程早い。この苦しい状況においては、誰だって大島と坂田のコンビに頼りたくなるものだ。予想通り、この交代が功を奏し、坂田が攻撃の起点を創りだす。そしてディフェンスラインから、坂田をめがけてロングボールを蹴り込み始める。すると、フロンターレの脚が止まる。坂田の仕掛けが効いた。そして、前半のドン引き守備がフロンターレの攻め疲れを招き寄せたのだ(と解釈する)。

当たり前のことなのだが、脚が止まるとポゼッションサッカーはできないということをトリコロールのサポーター自身が一番良く知っている。今日の前半もそうだった。だから叫ぶのだ。
「行け!!追いかけろ!!」
「そこで潰せ!!前から行け!!」
脚を止めて軽くパスでトリコロールをあしらおうとするフロンターレを窮地に追い込む。
「気が付けば、去年のサッカーになってるじゃないか!」
囲い込むわけでもなく単に前から勢い良く走り込んでプレッシャーを与える早野サッカーに対応をできない程、フロンターレは運動量を落としてしまった。
「ここが勝負所だぞ!!」
「脚が止まったぞ!!一気に押し込め!!」
「勝負だぞ!!」
コールが途切れると声が飛ぶ。

トリコロールには幸運がついていた(このときくらいまでは)。

「あっ清水が脚を痛めたみたいだ。」
多くのサポーターは、このフロンターレの脚が止まった状況を勝負時と捉え、一気呵成の攻めに期待した。そこで選手交代の手を打つとしたら、当然のこと清水をさらに攻撃的な(できればサイド攻撃できる)選手に代えるという選択肢が考えられる。しかし、おそらく桑原監督は動かないだろう、と思っていた。そこに清水の怪我。清水には悪いが、このタイミングで右サイドの切り込み隊長となれる水沼宏太がピッチに入れることはデカイ。

さっそく右サイドは水沼宏太+ハユマの2枚の布陣となり数的優位を創って支配を強める。それでも、フロンターレはボールをトリコロールの左サイドに集め、そこでのパス交換をする間に山岸がハユマのさらに右サイドのスペースに走り込む。そして、そこに正確なパスが通る。このボールを引き出す動きによって、トリコロールは、散発ながらも何度もピンチを招く。脚が止まったフロンターレ選手の中で、たった一人だけ山岸はトリコロールに揺さぶりをかけ続ける。

トリコロールは何度も決定機を創る。攻撃の枚数も増える。しかしゴールを奪えない。それでも、あと何度かチャンスを創り続ければゴールを奪える可能性は高い。これは勝たなければならないゲームになった。攻撃の枚数が減ったフロンターレに怖さが無くなる。
「あとはあいつだけだよ。山岸さえ押さえられれば勝てる。」
と言い終わらないうちに、ボールがまたしても山岸に渡りドリブル突破を仕掛けられる。
「ヤバいぞ!!」
「凌いでくれ!!」
「よし!助かった!」
見ると倒れた山岸は立ち上がらない。
「おぅ、山岸が倒れた。怪我か?」
「これはついてるぞ。あいつがいなくなればフロンターレは手詰まりのはずだ。」
「よし!これで行ける!!」
「あれ、黒津が出てきますよ。」
「しまった、黒津がいた。あまり戦力ダウンにならないじゃないか。」
だが、ハユマと水沼宏太の勢いは止まらない。黒津は守備に奔走するばかりで、山岸のような高いポジションでトリコロールに脅威を与えることはなかった。

ゴールをこじ開けるのは時間の問題。もしゴールを奪うことができなくても、前半の燦々たるサッカーを思い出せば、引分けでも十分に収穫といえる。ただ、勝てる試合であることは確かだ。交代枠は残り一つ。選択肢は二つだ。さらに攻撃的な選手を投入するか、それともカードをもらっていて、しかも動きが落ちてきている選手を退けるか。正解はご存知の通りだ。選択肢は意外なことに三番目。何もしないということだった。その結果、ピッチから退いているはずの河合は実にレベルの低いレッドカードをもらい、ピッチを知り即ことになる。この退き方では、頑張り屋の小椋をピッチに登場させることはできない。そして、ロスタイムに失点してTHE END。見事な敗戦だった。

これでも「内容は悪くない」のだろうか。監督がやりたいと考えたサッカーができた時間はないはずだ。もし「内容は悪くない」と心の底から思っているのであれば、これ以上の向上はない。


今日のポイント

●ついに価値が判ったオシムお気に入りの山岸。


石井和裕

こんなサッカーをやって連敗でもしたらズルズルいくぞ。

水沼宏太のクロス

600

山瀬のゴール

200

山岸のポジショニング

900

前半のフロンターレのポゼッションサッカー

400
2100

今野隆之

後半の内容はよかったなどと言っていられる順位なのか。

松田

5000

松田の半分も働かない他の選手

-4500
辞任する気がない厚顔無恥な桑原
1
501

ゆっか

我那覇募金の海塩ちんすこうが意外に旨くて、また悔しい。

恐ろしくやられまくる試合序盤

-1100

買ったちんすこうをぶん投げたくなった我那覇の先制点

-1000

実はよくわからなかったお兄ちゃんの同点弾

1000
ちょっぴりいい夢見れた後半の「バカプレス(by K林さん)」 
500
-600

stan

前半は今年のサッカー。 後半坂田が入ってからは去年のサッカー。どちらが面白いのかはスタジアムの盛り上がりを見れば明白だが勝てない事に変わりはない。何か手を打たないと手遅れになる。

蒸し暑い

-100

前半のぐだぐだっぷり

-1000

山瀬兄のFK

500
松田の能力の高さ
500

でもそれが目立つのは良くない展開

-200

起爆剤坂田

500
後半のプレス
500
川崎の脚の停まりっぷり
200
河合…
-500
耐え切れず
-500
勝てないなぁ
-500
14位ですか
-500
ちゃんとしてた西村主審
-100
-1000

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