malicia witness 2階の目線2008
J1リーグ 08-09シーズン

8月28日 大宮アルディージャ  NACK5スタジアム大宮

夏休み期間は社会人には無関係。ただでさえ厳しい観戦環境にある木曜日に埼玉県地方を豪雨が襲う。JRはダイヤが乱れ間引き運転に。やっとのこと大宮駅に着けば、タクシー乗り場には1時間は待たされようかという長蛇の列。私たち4名は、しかたなく徒歩で移動を開始する。これでは、試合開始には間に合わない。なんとか、途中からでもタクシーに乗らなければならない。5分も歩かないうちにタクシーを止める。後部座席の扉が開くと同時に一気に乗り込む。
「大宮サッカー場へ。」
間髪入れずに運転手が切り返す。
「サッカー場は大混雑でクルマは動かないよ!」
みごとな乗車拒否だ。仕方なく、徒歩でのスタジアム入りを決意する。途中、氷川神社の参道に入る頃、激しく雨が降り始める。雷鳴が轟き、雲の流れは大荒れの予感。ちょうどスタジアムに着くとゴールを奪われる。

ストッパーは小椋と裕介。

相手のエースとの競り合いを求められるのは定石ならばストッパーの役割だ。しかし、このとき、他にマークすべき選手がいたわけではない。できることならば、中澤に競り合ってほしかった。
「あーもったいない。」
「ここから盛り返せ!」
「まだまだ時間は十分にあるぞ!!」

ハーフタイムに入ると、いよいよ雨は本格的にスコール模様。

「避難していただく場合もございます。」というアナウンスに、さっそく突っ込み。
「どこに避難する場所があるんだよ!」
階段には豪快に水が流れ、滝のようになっている。合羽を着ていないスーツ姿のK林さんは説得力ある一言。
「こりゃぁ、選手は眼を開けているのも大変だぞ。」
「早い時間に追いついておかないと、いつ、試合を止められるか判らない。」
「立ち上がりで勝負だ。」
「でも、ロペスがもの凄い勢いでアップしていたから、たぶん、後半の頭から使ってくるぞ。」
「誰を下げるんだろう。」
さまざまな起用法を考える。いくつかの意見が出る。その結果、導き出されたのは、こういうことだ。
「雨も強くなるし、ロングボールを放り込んでくる場面も増えるから、大島を下げるってことは最も考えにくい交代だね。」
「いや、甘いな。最も考えにくいからこそ、コーキチは代えてくるかもしれない。」
選手がピッチに再び姿を見せると、やはり大島の姿はなかった。

前半、ボールの収まりどころとしての大島の働きぶりに、特に大きな問題はなかったはずだ。しかし交代。何故だろう。コーキチはスリートップの登録にこだわりを見せている。そのセンターとして大島は働いたはずだが、一方で大島をトップ下に起用した例もある。そこで大島に代えてロペスの起用だ。前節の徹底守備戦術は、誰にでもメッセージが伝わる判りやすい采配だったのだが、今日のコーキチの「本音と建前」はつかみ所が難しい。

雨の試合にこそ、選手の心理が浮かび上がりやすい。残念ながら、前節のようなピリピリしたムードはなく、球際の激しさも影を潜める。さらには、競り合いですぐに巨体を芝生に横たわらせるロペスの存在が、ますます戦闘ムードに水を差す。
「そのでっかいお年寄りをなんとかしろよ!」
あまりに酷い。

時間は刻々と進んでいく。サイドのプレーヤーを交代するも、一方は経験不足で持ち味を発揮できず、もう一方は意図が伝わりにくい起用位置。スリッピーなグランドコンディションなので、早めにクロスを入れれば何事かは起こりそうなものだ。しかし、中央に、そのボールを待ち受けるべき選手はいない。前半ですでに退いてしまっている。ディフェンダーを背負いっぱなしで、はじめからディフェンダーに囲まれている選手はいる。他に、前線中央で楔の受ける役目を果たす選手がいないのだ。そのためか、最終ラインでボールを回す時間が長くなる。
「何やってんだよ!攻めろ!!」
「時間ないんだぞ!!」
「丁寧に崩そうとなんてするなよ!」
「危ないだろ!そんなところで回すなよ!」
高まるリスクと進み行く時間。いくつかの照明が落ち、激しく降りしきる雨のスタジアムの中で、この日は、あまりに意味を持たない行為が多すぎた。
「ここは前からガンガンプレスかけていくしかないだろ!」

疲労感の残る敗戦。うなだれる選手たち。前節の過剰な喜びようが嘘のようだ。
「何で全力を出し切らないんだ!もっとやれるだろ!!」
「頑張れ!!下を向くな!頑張るしかないだろ!!」
大宮が強かったわけではない。ただトリコロールが不甲斐なかっただけだ。実力がある選手たちでも、全ての力を出し切らなければ、どこにも勝てる保証はない状況だ。

直接対決シリーズ5連戦の3試合を終えて得た勝ち点は4。

その前のガンバ戦での勝ち点3の貯金を放出してしまった積み上げ数字だ。残すところは神戸と磐田。連勝すれば勝ち点10。そこまで持ち込めば、残留争い離脱への道は開ける。しかし、試合内容が悪すぎる。何故だろう。選手が思い切ったプレーをできない原因に「監督が目指すサッカーが判らない」ということもあるだろう。大島が求められていたプレーは何だったのか。スリートップの表向きの裏に隠された本当の狙いは何か。山瀬幸宏の役割は試合前から全選手に浸透していたのか。しかし、それでも試合は進む。選手自身が状況を見極めて、瞬時に判断をして闘っていかなければならない。その責任を選手たちは逃れることはできない。

大宮駅に着くとJRのダイヤは乱れたまま。冷えた重い身体を引きずりながら帰路につく。選手たちはもっと悔しいだろう。その悔しさをぶつける相手は神戸と磐田。ここが正念場だ。


今日のポイント

合羽を売っていないアウエースタンドの売店
時間稼ぎに厳しかった岡田主審
意欲はあるが萎縮も見えた斉藤学
小椋の横を今日も狙われた
本当のエースが欠場をしていた大宮の戦力


石井和裕

雨の影響を考慮した上で、肝の座ったサッカーをやるべきだった。

過去15年間でも最大級の雨体験

800

笑えないロペス

200

コーキチ采配

1000
2000

今野隆之

コーキチのご乱心は選手が勝負しない理由にはならない。横パス、横パス、横パス、横パス。これがトリコロールの全力か? これがトリコロールの本気か? 松田と中澤以外に勝負する選手はいないのか? このタイミングで偽と連携とか言っている能天気フロントは、どうにか残留できるさとでも楽観しているのか、それともJ2で切磋琢磨する気か? クソ試合。ただそれだけだ。

何が起爆剤だ、湿った線香花火以下の鈍重8番

-2000

コンディションを考えず中盤でパスを繋ぐ選手たちよ、コーキチの指示なのかもしれないがそんなもん破ってでも追いつく気概はないのか

-5000

貴様が「ひでぶっ!」とでも言いながら起爆しろコーキチ

-5000
-12000

白火

あの記録的な豪雨の中、気がつくとトリパラをなくしていた。けれどあの試合で失ったものは、一本のトリパラでは済まないような気がする。

試合前の期待感

5000

試合後の絶望感

-1000
-5000

stan

適材適所が判断出来ない人物が監督を続ける事が最も適材適所に反している。そんな無茶振りと劣悪なコンディションの中、失点を1に抑え、ゴールへあと1歩まで迫った。

ちょっとしたマッサージに感じる程の豪雨

-200

先発はそこそこ理解出来る

500

失点するまでの積極性

500
ミスマッチが招いた失点
-300

照明落ちるってインドじゃないんだから

-100

失点後に打つ手打つ手が明後日の方向

-1000
8番以外はすげー頑張ってる
1000
普通だった岡田主審
100
500

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