malicia witness 2階の目線2008
第88回天皇杯

11月2日 コンサドーレ札幌  ニッパツ三ツ沢球技場

緊迫のロスタイムを終え、試合終了のホイッスルを聞く。安堵の空気がスタジアムに流れ盛り上がりを欠いた控え目な雰囲気の中でトリパラが回り始める。

猛攻をくらいゴール前に迫られる。リードは僅かに1点しかない。左サイドから放たれたシュートはクロスバーに当たり、辛くも難を逃れる。そのタイミングで選手交代。しかも、猛攻を真っ向から受けている河合の背番号6を第4の審判が示している。入って来るのはアーリア。不安な交代だ。
「マジかよ。ここでアーリアをいれるのかよ。」
「このタイミングで守備陣の交代はなくないかぁ。」
「河合を下げるって、どうしてなんだよ。」
「いや、まだマシだぞ、ロスタイム6分と比べたら。」
「そんなのと比べるなよ。」

札幌はボロボロだった。

札幌の選手たちは、そうとうな意気込みで、この一戦に臨んでいる。ここを勝てば、次の相手は浦和になる可能性が高い。J2降格で来期の闘いの場を求める札幌の選手たちにとっては、この試合と、次の試合は絶好の個人アピールのチャンスとなるのだ。しかし、それが裏目に出る。緻密なチーム戦術を特徴とする三浦監督のサッカーに相反する個人プレーの数々が札幌の攻守を乱す。特に、前線の3人の外国人選手たちはエゴイスティックなプレーに終始し、時間を浪費する。あまりに不甲斐ない札幌。それを相手にカタチを作れないトリコロール。前半終了と同時にブーイングが巻き起こったのは当然だ。

苦戦の原因は多々あるだろう。明白な原因もある。

最終ラインから効果的なパスが出ない。出しどころがないのだ。そんな中でコーキチはサイドを務めるハユマに、もっと前にポジションを取るように支持をする。その結果、起きたことは何か。それは、明らかに中盤の選手の数が不足してしまうという事態だ。フォワード登録3人は、狩野以外はボールを受けに下がってこない。両サイドも前に張ったまま。だから、ディフェンスラインからボールを出す場所がない。パスコースが見つからないのだ。さらに、フォワードと両サイドの連携がない。ボランチが両サイドの外側に走り込んで来ることもない。ハユマはボールを受ければ、常に1−2の数的不利な体勢でドリブル突破を強いられる。そんな無理をしても勝ち目はないのでパスを出す。しかし、コーキチは、それが気に召さなかったのか、ハユマに交代を命じる。何のフォローもなく孤独な闘いを強いられる、今のトリコロールにとって、両サイドは不遇なポジションでしかないのだ。ハユマの代わりに登場してきたのが、本来は左サイドを本職とする小宮山というのが、また泣かせる。小宮山は2度の突破のチャンスを活かせず、右足から左足に持ち替えることで得点機を逸してしまう。その様をみたハユマは何を考えただろう。

何度も得点機を逃してきた兵藤がゴールをしたことは喜ばしい。ディフェンダーのミス絡みとはいえ、このゴールがなければ、今年の天皇杯は終わっていたかもしれない。まずは勝利を喜ぼう。しかし、苦しい道のりが待っていることは間違えない。来週は再びリーグ戦。この札幌戦のイメージを早く払拭しないと京都戦では痛い目にある。この札幌ほど酷いチームは、今、J1にはないだろう。練習において、真のJ1レベルを取り戻さなければ苦戦は必至だ。このレベルの札幌から1点しか獲れなかったことが現実なのだ。


今日のポイント

●プッシングを、ほとんど取らなかった山西主審。
●最低でも2度は間違えたバックスタンド側の副審。


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