malicia witness 2階の目線2008
J1リーグ 08-09シーズン

12月20日 サガン鳥栖  ベストアメニティスタジアム

浦和をPK戦の末に下したのは約1ヵ月前。その後のリーグ戦では最終節を残して残留を決め、最終節では浦和を6−1と叩きのめしたトリコロールは、休養十分で本番・天皇杯に臨む。迎えるは今大会最強の敵、下部リーグの鳥栖である。

「東の仙台、西の鳥栖」

日本を代表するフットボール専用スタジアムとして、しばしばこのように形容されるベストアメニティスタジアムは、鳥栖駅脇に鎮座する立地とあいまって、一度は行ってみたいスタジアムとしても評価が高い。しかしながら、ホームチームがJ2にすっかり定着してしまっている鳥栖であることから、トリコロールがここで公式戦を戦う機会は相当先ではないかと考えられていた。が、こうして思いの外早く実現することとなった。そのためか、横浜からわざわざ遠征に来たサポーターも多く見かける。

ホーム開催ということで、運営もすっかり鳥栖仕様。そう攻撃的ではないにせよ、アウェー感は十分。試合前には鳥栖市のマスコットゆるキャラ「とっとちゃん」も出てきて、なんとなく気合いの入らない雰囲気でキックオフを迎える。だがこれすらも作戦だったことを、キックオフ直後から思い知ることになる。

鳥栖はとにかく頑張るチームである。

技術・体格・高さ・すべてにおいて平均的な日本人プレーヤーばかりなのだが、とにかくよく動いてボールを追いかけるし、体を投げ出してボールを止める。番狂わせを狙う下位チームのメンタリティも相まって、弱い横パスはかなりの確率でカットされてしまう。

片やトリコロールは天皇杯における下部リーグ相手の悪癖がしばしば癖を出す。競り合えばほぼ勝てるし、パスの技術や精度も絶対的に上なのはわかるのだが、回りの動きだしがいつもよりも遅い。結果として、フリーの選手にパスが回るまでが遅いし、弱気なパスをミスれば鳥栖のパスカットの餌食になる。

そして、その油断が失点へとつながる。

それまでも基本的には押し気味の展開だったのだが、プレーの意図と気迫が感じられたのは鳥栖のほうだった。サイドから折り返されたボールは榎本の左をすり抜けてネットを揺らす。

「毎度の油断か!」
「九州最弱にやられてどうする!」

例年だとここから焦って泥沼にハマっていくトリコロールだが、今年は違った。直後のセットプレー、コーナーキックから中沢のボンバーヘッドが炸裂し、あっさり同点。これで追いついたのはかなり大きかった。

同点になってからも、基本的には押し気味ながら、不用意なパスをカットされてピンチを招くという展開が続く。ただ、みんな分かっていたのは、この運動量は絶対に最後まで続かないということだ。

「カップ戦なんだから、セットプレイで点とって、あとはグズグズにすればいいんだよ」とはK林さんの言葉だが、結果的に試合はそのような展開となる。前半終了間際に、再びセットプレーから勇蔵のヘッドが決まって2−1。現場で見てたら、鳥栖のDFが完全に競り負けてた感じだったのだが、関東からの電話でGKの飛び出し判断ミスだったとのこと。

後半になっても、基本的には情勢は変わらず、はたして典型的カップ戦の様相を呈してくる。インターバルが2週間あったとはいえ、今日、ここまで攻撃がスムーズに機能しない理由はただ一つ。今日のスタメンでは前線のターゲットが居ないのだ。狩野に渡ったときに、一度預ける選手が居ないので、狩野がタメを作って上がりを待つことが多くなる。そこでできる時間の分で鳥栖に余裕を与えていた印象が強かった。当初あれだけ機能していなかった金がリーグ戦終盤ではそこそこ使えるようになってきて、ここで一度温存した理由は監督判断なのでよく分からないが、その判断が油断でなかったかは、次の試合までに考えてほしいものである。

試合終盤に注目をさらったのは審判だった。

後半39分あたりだったか、カウンター気味に清水がサイドに持ち込み、ライナー気味のクロスを入れ、それに途中から入った金が合わせてゴールを決めた。と、誰もが思った。しかし、判定はオフサイドで、ノーゴール。

「お前ボールに追いついてなかったのに、なんでそんな自信満々で!」

俯瞰視点で見えるベアスタなので、サイドからでもオフサイドの認識はしやすい。というよりこの場面では鳥栖のDFがラインまで戻っていたので、どう見てもオフサイドではないのだが。 広島?柏でもゴール判定が微妙なところがあったようだし、ベストメンバーを求めるからにはこのあたりを協会も改善してほしいところ。

このゴールは幻に終わったが、最後に文句のない形で狩野がしっかりきめて3−1。先制は許したものの、終わってみれば順当の勝利となった。

大会最強の敵を下し、14年ぶりの準決勝進出。そして、16年ぶりの天皇杯「奪還」まで、あと二つ


今日のポイント

西日本随一のベアスタ。
●鳥栖の頑張り。
●だから坂田の1トップは機能しないってば。
●トイレに行って戻ってきたら 0-0 が 1-1 になってた
家元さん。
●鳥栖・藤田のポストプレイ。








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