| malicia witness 2階の目線2009 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| J1リーグ 09-10シーズン 7月18日 アルビレックス新潟 日産スタジアム キックオフまで布陣はわからない。ガンバ戦で機能したという噂の布陣か、それともリーグ戦で積み重ねてきた、いつもの布陣に戻すのか。そして、先発選手の顔ぶれは変わるのか。 「4−2−3−1っぽいな。」 試合が始まると、まずはシステムを確認する。坂田の先発落ちについて理由が明確。後半に運動量で勝負するためだろう。狩野については不明。ただ、攻撃のスピードアップを測りたいのではないかという推察も立つ。一方の新潟は、今年から取り入れて好調の原因となっているスリートップの布陣だがマルシオ・リシャルデスが不在。守備についても、要の千代反田が不在。 立ち上りの大ピンチを。飯倉が止めた。 ナイトゲームの季節になって、突如、現実と空想の境目に出現した超次元の世界「トワイライトゾーン」は、コーキチ采配の産物。ランクアップを狙ってのことだろうが、今では、トリコロールの守備の穴としてサポーター、相手チーム、報道陣にも広く知られ渡っている。 「俺は40年間以上もサッカーを生で見てきたけれど、コーナーキックをゾーンで守るチームなんて見たことがない。」 そう言ったマリーシアメンバーの1人。誰もがそう思った。しかし、実際は調べてみると、コーナーキックをゾーンで守るチームは存在している。それに気が付かないのは、ソーンの穴を感じさせないくらいに守備戦術が熟成しているからなのだろう。対するトリコロールは、シーズン途中でゾーンの陣形を敷き、失点を重ねている。残留争いの最中に、このリスキーなチャレンジを行なう価値は、どこになるのだろうか。試合開始早々のコーナーキックに悲鳴が上がる。 「大ピンチだ!!」 2本のシュートをゴール寸前に跳ね返す。 「なんで入らなかったの?」 スタジアムでは、何が起きたのかはわからなかった。帰宅後にビデオを見ると、飯倉のファインセーブだった。失点は免れたものの、コーナーキックの守備の問題が解消されていないことは明白。緊迫感が高まる。 押し込まれる前半。 4−2−3−1の陣形でありながら、ボールは3に渡らない。常に2の背番号3を経由することだけが目立つ。そして、行き場を失ったボールは4か2から新潟ディフェンスラインの裏・縦に放り込まれる。そのボールを追うのは1が基本。つまり孤立しているので、こぼれ玉へのフォローもない。得点できる可能性は限りなく低い。放つシュートは虚しい空砲ばかり。 ほぼ時間の無駄ともいえる45分間を刻んでいく。 宏太が消えている。宏太の責任ではないだろう。慣れ親しんだわけではない4−2−3−1に放り込まれた宏太に多くを望むことはできない。若い選手には限定された役割を全うさせるべきだ。今の宏太に多くを望むこと自体に誤りがある。残念だが宏太を後半の頭から退けることが得策だろう。そして、フォーメーションは、元の4−3−2−1または4−4−2に変更すべきだろう。 などと話していると選手が入ってくる。宏太out、坂田in。 「よし!後半頭から坂田の投入だぞ。」 見れば目の前に坂田の登場を大喜びする少年がいる。前半は静かに観戦をした少年だが、小躍りするように飛び跳ねて応援コールを贈っている。背中に描かれた「11SAKATA」の文字が小さな背中に揺れている。 それにつられて声援に力が入る。 「坂田!頼むぞ!!」 「坂田!!お前が点穫れよ!!」 「頑張れよ!!坂田!!」 少年の4列ほど後ろに陣取ったマリーシアメンバーたちの野太い声が大きな屋根に反響する。 坂田がサイドでボールを受け、前線への押し上げの時間を作り、両サイドにパスを振り回して最後は坂田がシュート。さらには、中央で坂田が受けて渡邉にパスを渡してシュート。いずれもゴールには至らないものの、見事な連携。有機的に選手が絡み始める。 「いいぞ坂田!!!」 少年も大喜びだ。 次に訪れた新潟のチャンンスを凌ぐとカウンター。小椋が奪ったボールを一気に前へ。ここでも坂田が時間を稼ぎ、天野の上がりを待つ。 「天野がフリーだ!!」 その声に応えるかのように、松田からレーザービームのようなサイドチェンジ。オフサイドギリギリにまで走り込んだ天野はヘディングで折り返し。そこに走り込んできて点であわせたのは坂田。 「やった!!!!」 あまりに美しいゴールに皆が飛び跳ね絶叫する。 「よし!坂田が獲ったぞ!!!」 「少年、君の応援のおかげだ!!」 少年の元に座席4列を駆け下りる。続いてK林さんも少年の元に駆け寄る。 「やったな!坂田!!」 少年もご両親も大喜びだ。 その後も、前線、サイドで起点を創り、逆サイドの上がりを待って大外へのクロスを送るプレーが続く。縦へ、縦へ、スピーディーなカウンターが続く。坂田が入り、攻撃は活性化した。渡邉も負けずに裕介のクロスをダイビングボレーで合わせる。シュートの乱れ撃ち。思い切りの良いプレーが続く。 ところが65分を越えると動きが落ちる。これはいつものこと。 常に好守に獅子奮迅の働きを要求される松田の脚が止まってしまうことは必然。あまりに松田への負担が重いのだ。そして、これからゴールが欲しいとい時間帯に、いつものようにエースを退けてしまうコーキチ采配。背番号9はピッチを去る。 「ホームゲームだぞ!勝ちに行ってくれ!!」 スタンドの願いも虚しく攻め手を失っていく。 「あれだけ松田に好守に渡って頼っていたら、やっぱり90分はもたないよ。」 「それでいて、松田を外すと精神的支柱を失っちまうから、交代させるわけにもいかない。」 「そもそも間違っているんだよな。」 一方、新潟はサイドにジウトンを入れる。あの川崎戦で軽率なプレーを連発し、勝ち点を失う原因となった途中補強のブラジル人だ。 「噂のダメ外人が来たぞ。」 新潟は、ジウトンをはじめとするサイドプレーヤー、そしてボランチの本間が自由にプレーできるようになる。 「フリーにするな!」 「誰かいけよ!!」 「いや、そこは松田が行く場所なんだよ!」 「松田頑張れ!!」 「代わりに誰か行けよ!!」 苦しい時間帯だ。しかし、苦しいのは新潟も一緒。ここで頑張り切れるかどうかが勝ち点3を獲れるかどうかの分かれ道。 「相手も苦しいんだ。頑張れ!!」 新潟はペドロ・ジュニオールがさぼっている。ジウトンはダメ外人っぷりを披露している。新潟からすれば、おそらく引分け御の字だろう。逆にトリコロールは、新潟よりも順位は下だとはいえホームゲームだ。勝ちに行かなければならない。 アーリアは左サイドで見事なドリブルを魅せる。 「あー!」 山瀬の空振り。 「触るだけで良いのに。」 更に、再度、同じ箇所でドリブル突破。 「アーリア!!」 「撃て!!」 「撃て!!!」 「なんでクロスなんだ。」 「撃てよ!!」 裕介がフリーでボールを持つ。 「撃て!」 「クロスかよ!!」 新潟は中央を固めている。サイドに出てきてクロスの出しどころを押さえ込もうという守備は見られない。両サイドの選択肢は豊富だ。 「行け、天野!!」 「勝負だ!!」 「交わしてシュートまで行け!!」 最後の最後にやってきたビッグチャンス。アーリアのスルーパスに抜け出した山瀬。ゴールキーパーとの一対一に左脚のダイレクトシュート。 「??あー!!」 守るだけで精一杯の新潟から決勝点を奪えない。時間は過ぎていく。疲れているのはわかる。でも、あと一歩の頑張りと、勝負する心でゴールは近づくのに・・・。 松田がシュートを放ったところで試合終了のホイッスル。 「勝てた試合だった。」 「もっと選手はひた向きにやらないとダメだよ。」 「ホームでは勝ち行ってくれないとお客さんは増えないよ。」 「前半が無駄だった。もったいない。」 「勝てた試合だったって毎試合言っているじゃないか。足りないのは、あと少しだけなんだよ。」 「さぁ、次の2つは残留に向けて重要なアウエー2連戦だぞ。もう、わけのわからない采配はナシだ。勝ってもらうしかない。」 私たちがトリコロールと時を刻む日々は元旦まで続く。 今日のポイント ●日産スタジアムなのにマツダが目立ちすぎ。 ● 天野のワンタッチ目に歓声が起きる。 ●ゆるかったスタンドの雰囲気。 ●単純に裕介が見落としたことで失点に繋がった矢野の一発。 ●他の選手が水を飲んでいるのに1人だけ飲んでいない ダメ選手の典型だったジウトン。
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