malicia witness 2階の目線2009
J1リーグ 09-10シーズン

9月12日 サンフレッチェ広島  広島ビッグアーチ

ホームで4−1。アウェーで3−2。
相手は(元々実力はあったとはいえ)今季2部から上がってきたチームである。しかし、それがトリコロールの現実であることを、我々はいつまで甘受せねばならないのだろうか?

5月の大分のときと同じく、スタメンの発表を見て驚愕する。

3ボランチ。しかも、小椋・河合・松田と守備系の選手を並べてきた。記憶が確かならば、河合が復帰してこのメンバーでのスタートは初めてのはず。シーズンも終盤にかかろうかという時期に、相変わらずの迷走ぶりに首をひねる。

試合の口火を切ったのは柏木の素晴らしいミドルシュート。

たしかに、距離といい勢いといいコースといい、素晴らしいシュートではあった。が、3ボランチでバイタルを厚くしたはずなのに、なぜドフリーでミドルシュートを打たせてしまったのか? 選手が、気持ちの切り替え的に相手のシュートを褒めるのは、まぁよいだろう。しかし、監督に「あれは仕方ない」で済ましては欲しくない。

広島は正しくフットボールをやっていた。

たとえば、ワイドに開いたFWにボールが渡れば、ウィングバックとトップ下の柏木が必ずボールに絡める位置に動く。トリコロールからは消えて久しい「連動性」で攻撃を組み立て、ボールをアタッキングサードに運ぶ。

片や、局面での個人技とひらめきのみで打開を図るトリコロール。攻守の切り替えも遅く、追い越して行く動きも少ない。客観的かつ中立的にゲームを見たならば、どちらが面白いかは一目瞭然であった。

それでも、シュートを打てば何かが起こるのがフットボール。

同点弾はそんな積極的な仕掛けが生んだ。個人技で仕掛け、角度のないところから打った坂田のシュートがGKの手をはじき、山瀬が押し込む。今のトリコロールが点を取るための、数少ない方法だった。

このまま同点で前半を終えれば、チャンスも広がったろうが、そうは行かなかった。小椋が相変わらず不用意な場所でファウル。与えたFKをストヤノフに決められてしまう。秋元を責めるわけには行かないが、小椋はそろそろ学習してくれないだろうか・・・。

2-1 で折り返した後半、またしても柏木に決められる。

この試合で与えた失点のうち、しかたがない、と言えるのはこの失点くらいではないだろうか。立ち上がりの気の緩みとか、1点目同様に離してしまったのはあるが、この試合の柏木は、相手ながら素晴らしい動きをしていた。

3-1 となり、ベンチが不穏な動きを見せ始めた矢先、トリコロールに得点が生まれる。田中からのスルーパスを千真が狭いコースへたたき込み、1点差に詰め寄る。千真はリーグ戦アウェー初ゴール。沸き立つアウェー側G裏。

これでチームに勢いが生まれるか、と思ったところに、指揮官は予定通りと言わんばかりに、チームで最もシュートが上手いストライカーを交代させてしまう。

「多分、『使ってあげたかった』んだろうなぁ」

入ってきたのは、毎度の金と、久々登場の斎藤学。疑問符は沢山付く交代ではあったが、出てきたならば頑張ってもらうしかない。

そして、この試合の最大のポイントが生まれる。W杯予選の疲労もあり、最終ラインで鉄壁の守りを見せていたストヤノフが交代した。これで一気に試合が大味な展開になってくる。前線の金、最後に投入されたアーリア、上がっていった栗原と、高さとパワーを武器に広島ゴールに迫るトリコロール。

しかし、ロスタイムも含めて10分近くに及んだ猛追も及ばず、そのまま試合終了。後に残ったのは、悔しさと寂しさだけだった。ベンチで出番がなかった、チームで一番プレースキックが上手い選手は、どんな思いで終盤のCKを見つめていたのだろう?

監督には言いたいことは山ほどあるが、繰り返しになるんで割愛する。これをホームで見せられてるのはもっとストレスがたまるだろう。一方で、選手にしても、攻守の切り替えが遅かったり、攻撃で追い越して行くような動きが足りなかったり、選手自身で改善できる点も多いように思った。

ベースとなる戦術やシステムも持たず、共通理解を持つためのメンバー固定もせず、毎回選ばれた異なるメンバーが集まり、何人かがボールホルダーの近くで小さく動く。今のトリコロールが見せているのは、こんなサッカーだった。

勝利を誠実に追及しない指揮官に率いられたトリコロールの迷走は、いつまで続くのだろう?


今日のポイント

練習でやってないことは試合では通用しない。
斎藤学、使ってやりたかったんだろうな。
放り込みが成功するのは精度の高いクロスあってこそ。
山の中なのに駐車場が少ないビッグアーチ


なかむ〜

終わってみれば順位通りの試合。やってるサッカーの内容は順位以上に開きがあった。

試合前に雨が止んだ

100

遠くて未舗装な臨時駐車場

-300
博打以下の3ボランチ
-200
打てば何かが起きる、坂田と山瀬
1000
千真のリーグ戦アウェー初ゴール
1000
勢いを削ぐ交代策
-300
前目で使うならそこそこやれるようになってたアーリア
500
柏木の素晴らしい動き
300
1800

stan

ゲーム開始に合わせたかのように陰鬱な雨は上がったが、チームは湿ったままだった。このゲームもまた、普通にやれば違った結果が得られたと感じた。 届かなかった1点が、とても遠くに感じた。

泥塗れの臨時駐車場

-200

ストヤノフに「どうぞどうぞ」状態の中盤

-200

マズい!と思ったら入れられた1失点目のシーン、寄せられなかったかなぁ

-200
置きに行ったFKを綺麗に決められた2失点目
-200

坂田と山瀬の積極性が生んだゴール

500
ゴチャゴチャしてやられちゃった3失点目
-200
広島が好物の本格派CF渡邉、隙を逃さぬリーグアウェイ初ゴール
500
広島の失点力
400
ストヤノフ下げてくれた
500
相変わらずの状況に即さない交代
-300
ラスト15分、頑張った感はあった
300
でも届かず
-200
エリア内での出来事に寛大だった東城主審
-100
600

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