malicia witness 2階の目線2011
J1リーグ 11-12シーズン

6月11日 柏レイソル  日産スタジアム   (石井和裕)

リーグが試合を重ねるにつれてチームは成熟度を増していく。それは、チーズやワインのように。今、トリコロールは俊輔頼みの方向に徐々に舵をとり、その成熟度を増していっている。スピードアップした現代フットボールとは逆行する選択で、どこまで闘えるのか、見守る他はない。しかし、ほんの少しの綻びを敵は見逃さない。柏に奪われた2失点は、まさに、その典型的なカタチだった。
試合後のインタビューによれば、選手も監督も、相手をリスペクトし過ぎて慎重になり、思い切った攻撃ができなかったことを原因として挙げている。だが、原因はそれだけだったのだろうか。

ダイヤモンド型の中盤、と表記されるが実際は俊輔と谷口が流動的にポジションを動かし、それを兵藤が献身的に埋めるというのが基本戦術。もちろんメリットはある。だがデメリットも多い。

まず、攻撃のタクトを全面的に俊輔に預けるためにボールを持った選手が俊輔にパスをしようと俊輔を探してしまう。そこで攻撃のスピードが落ちる。ときには、到底、パスを受ける状況にない俊輔にパスを渡す選手まで現れる。

ピッチに広く選手が配置されていない。展開が小さく、パスコースが限定される。パススピードが遅い。

ボールを奪われたとき、守備陣形が整わない。必要なスペースを埋める選手がいない場合が多い。いわゆるバランスを崩すという現象が起きてしまう。

さらに不思議なことなのだが、このチームは敵の主力選手の得意のプレーを防ぐ術を知らないケースが目立つ。スカウティングをし、選手に対策を徹底するといった指導が行われているのかどうか疑問だ。柏の両サイドはドリブルあり、高度なパステクニックありの曲者だ。ここから自由なパスを供給させては主導権を握られる。1点目は右サイドバック酒井が入れたクロスから生まれている。もっと酒井との距離を詰めて守ることで、あのクロスを避けることは出来なかったのか?
「詰めろ!」
「入れさせるな!」
スタンドは叫ぶがピッチの上はのんびりとしたものだった。流動的にポジションを動かして攻撃し俊輔を探してスピードダウンし、サイドに人がいない状態でボールを奪われ、素早く簡単にクロスを入れられる。
「危ない!」
叫んだときにはクロスはトリコロールの急所に撃ち込まれている。
こうして、鮮やかすぎる2失点目は1失点目よりもさらに余裕のあるディフェンスの距離感から、狙いすましたクロスを酒井に入れられて生まれた。

選手たちは懸命にプレーをしているのだろうが、あまりに力の差が大きい。ボールの動くスピードと、ボールのないところでの選手の動きが違いすぎる。木村監督はハーフタイムでツートップを諦め、大黒と千真を下げてクナンとユウジーニョを入れるそう取っ替え采配をしたが、それで解決するわけもなく、順調に時間は捨てられていく。
「中盤の構成に手を加えないと、大きくは変わらないんじゃないの。」
「ユウジーニョ入れるのはいいとしても、ホンモノのフォワードは必要なんじゃないの?」
「クナン入れてロングボールを徹底して入れるんだったら中盤いらないじゃん。だったら兵藤はいなくて良いんじゃないの。」
「なら、兵藤下げて狩野を入れて、左右から俊輔と狩野でクロス入れまくりの方がいいだろう。」
「そのための狩野を入れる為の三枚替えだったら、納得するなー、怪我のリスクがあるし、セオリーには反するけど。」

選手が怪我をすることを望むファン・サポーターはけっしていないが、兵藤が倒れたとき「ダメ、交代だ。」「?」という反応があったのは、痛いなら直ぐに交代するキッカケにしてほしい、そんな想いだ。後半は両サイドの頑張りもあってチャンスは増えたが、それは、あくまで頑張りによるもの。基本的な力の差を埋める戦術的な手を打ったわけではないので、柏は終始、余裕を持って試合を支配し続けた。

大きな落胆をもって試合は終わる。
「明らかに、今年の対戦相手で、柏は一番強かった。」
「あれは、強豪チームの闘い方だよ。」
「さすがだな、ネルシーニョ。」
「もう、柏優勝でいいんじゃないの。」
「何か打つてはないのかよ。総選挙でもやるか?」
当然のこと冗談だが、まったくお手上げ。

なぜ過去の試合、地方都市から観戦に訪れた仲間が多かった。そんな仲間たちと、試合後にワインを呑む。グラスを合わせる。
「完敗!」


今日のポイント

● 5回は安易に倒れた谷口。それではフットボールにならない。
● 途中でキレた栗原。残念なカードで次節停止。
● 2失点目の後に波戸と小林が同時に上がりっ放しの時間。危険だった。
● 裏への抜け出しが多かった大黒。
● 最後は真昼のジョージ。引退試合は見事なレフリングだった。










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