malicia witness 2階の目線2011
J1リーグ 11-12シーズン

7月30日 大宮アルディージャ  日産スタジアム   (石井和裕)

暗闇からスポットライトを浴びて選手が登場してくる。昨シーズンに大量の選手放出、そして適所に補強をして生まれ変わったトリコロールは首位に。
「これがホントの俺たちの場所なんだよ。」
そう言ってはみるものの首位は5年ぶり。相手は、この日産スタジアムでは勝ったことがない大宮。アウエーでも大苦戦している苦手中の苦手だ。

激しい雨の中で試合が始まる。そして直ぐに小林が痛む。

今シーズン躍進の最大の原動力は間違えなく小林。天野に交代することでトリコロールは窮地に陥る。休養充分の大宮に対してナビスコの疲労が残るはず。ここで選手交代のカードを切らなければならなくなることは辛い。しかも大宮のエースはラファエル。高さがある。スピードがある。サイドのスペースでラファエルに溜めを作られ、追い抜いてくる選手の突破を再三許す。両サイド共に劣勢となる。更にはイ・チョンスがキレのある突破で脅かす。

このチームには常に二つの守備の欠陥がある。相手サイドバックがゴールライン付近までボールを持ち込んで来た上でサイドハーフとパス交換をされるとプレッシャーをかけられない。サイドの守備が一枚足りなくなるケースが多い。それゆえ、アウエーの大宮戦ではクロスを入れられ放題となった。そして、この試合では同じような型からノープレッシャーでクロスを入れられラファエルにゴールを奪われる。
「毎度じゃないか。」

後半に入る。前半からだが、この日のバックスタンドの手拍子の音量は今シーズン最大。なにしろ、バックスタンド中央2階には横浜市職員や港北区職員、彼らに誘われてやって来た市民でびっしり。このエリアの横浜愛は凄まじい。大きな手拍子が鳴り続ける。絶対に勝つのだ、というムードが充満している。

右からのクロスに大黒が空中で伸びる。信じられないヘディングシュートのフォームからボールは枠に。惜しくもこれは北野に阻まれるが、次のコーナーキックをニアから大黒はゴールに叩き込む。
「うぉーーーーー!」
まさに唸り叫ぶ、怒号の様な歓声が屋根に反響する。
「すげーぞ大黒!」
あまりに見事なファインゴールが、ここまでの鬱憤を晴らす。鬱憤というのは、この試合だけではなくて、アウエーゲームで味わったストレスをもまとめて。これを全て晴らすゴールだ。

直後にクナン投入。ゴールデンタイム到来が早い。
「おっ、木村は勝負をかけて来たな。」
「仕掛けが早いぞ。」
割れんばかりの大音量でキム・クナンコールが起きる。

ここまでの低い位置でぎこちないパス交換を繰り返していた俊輔がドリブルで上がる。大宮のサイド攻撃に散々手を焼いていた金井がクロス。
「来たーーー!」
完璧なフォームで大黒がジャンプしヘディング。ここまではいつものことだ。しかし、その放たれたシュートの威力は凄まじく北野が一歩もうごくことなく立ち尽くす。その横を見送ることも出来ないスピードでボールは通過し、破れそうな勢いでゴールネットが大きく揺れる。
「決めたーー!」
「うぉおおおおおおおおーーー!」
一点目よりも更に大きな衝撃にスタンドが揺れる。こんなインパクトの強いヘディングシュートが決まるのは久しぶりだ。
「いやーすげーよ大黒。」
「うちの外人は頼りになるなー。」

この後は、あわやハットトリックというクイックなフォームから大黒のシュートがスタンドを沸かせる。そういえば、クナンは、すっかりフォワードらしくなった。これまでであれば、サイドに逃げるドリブルや安易なパスをしがちなとこで強引なシュートを見せた。着々と進化している。そして、進化といえば木村采配。逃げ切りの時間に波戸投入はまさにグッドジョブ。あと10分早い投入でもよかったが、見事にサイド攻撃を封じた。クナン投入の時間と良い、勝負をする監督になってきた。これからの采配が楽しみだ。

不安を挙げるとすれば俊輔。結果的には二つのゴールに絡んだ。スポーツ新聞も俊輔活躍を見出しに選んだ。だが、チャンスメーカーである以上にピンチメーカーでもあった。中盤の底でリスキーなプレーを連発している。明らかに本調子ではなく力をセーブしながらプレーしている。本気で守備やヘディングの競り合いをしたのは最終盤の時間帯だけだった。スタミナにも不安があるのだろう。ここは起用するポジションや出場時間の長さなど、手を打つことでリスクを回避すべきだろう。

いずれにしても上機嫌。大黒の「横浜さいこー!」には「さすが関西系イタリア人。大嘘つきで調子がイイ。」と最大級の賛辞。坂を降り、信号も点滅すれば渡らない。
「ほら、俺たち首位だからさぁ。首位の余裕なのよ。」
やっと私達の定位置が帰ってきた。今年の夏はアツい。



今日のポイント

● テンションが上がる暗転からの選手入場。
● マニュフェストが変わった。
● 今日も素晴らしいプレーだった兵藤。
● 失点以外は完璧に跳ね返し続けた中澤と栗原。
● 今日も素晴らしいプレーだった兵藤。
● よく耐えた両サイドバック。
● もう一つの欠陥、コーナーキックの守備はかなり研究されていた。









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