malicia witness 2階の目線2011
第91回天皇杯全日本サッカー選手権

10月12日 カマタマーレ讃岐  ニッパツ三ツ沢球技場   (石井和裕)

最強の敵は常にJFLにいる。サッカーファンの中には「最後はJFLに辿り着く」と言う者もいる。昇格も降格も無関係なぬるま湯のJ2と比べJFLは常に戦っている。上位も下位も環境は厳しい。チームを潰さないためには与えられた ミッションを達成しなければならない。激しく、素早く、隙のないゲームが繰り広げられる。彼らに足りないのは、お金と技術だけだ(上位2チームの佐川と本田は自前のスタジアムすら保有している)。

トリコロールの選手達は讃岐の選手の足が終盤になると止まると思っていたようだが、過去のJFLとの闘いにおいて、負けた試合を例に取れば、けっしてそのようなことはない。彼らは最終盤に脅威の根性走りを見せる。それゆえ、今回は、その根性を見せられる前に同点、逆転を出来た事が大きい。時間はギリギリだった。

相変わらず中盤とトップ中央でボールが収まらずバラバラのフットボール。最終ラインからのロングボールは苦し紛れでしかない。酷い試合だった。
「このままじゃ笑ものだぞ。」
見事な先制点を奪われスタンドは殺気立つ。

ベンチは準備していたクナンを下げて俊輔を呼ぶ。慌ただしく動く。ゴール前でフリーキックのチャンス。狩野がボールのそばに立つ。
「蹴るな!」
「待て!ゆっくりやれ!」
「ちょっと待ってろ!」
俊輔の準備を待つ。そして第四審判の交代ボードが赤く点灯すると大きな拍手が起きる。
「もう頼むしかない。俊輔、お願いだ!」

その数分後、0-1だった得点は3-1。特に3点目はコーナーキープせずパスを回しながら(こういう時こそオーレの掛け声が必要だ)穴を探し、突如、谷口が縦へのドリブルを始めて奪い取ったもの。今年のベストゴールかもしれない。

「俊輔!次も頼む!」
「もう、俊輔、お前に頼るしかないんだ。」
「中村大先生!ありがとうございました!」
バックスタンドから帰って来たヒーローに声が飛ぶ。

酷い試合だった。確かにトリコロールはダメだった。しかし、力強く逆転した。そして何より、最強の敵JFLに先制点を奪われながら終盤で一気に逆転するというのはノックアウト方式の天皇杯ならではの醍醐味だ。酷い酷いと言いながら、みんなの顔が笑っているのはその証拠。
「次の相手はどこだ?」
「栃木だ。」
「また強敵だな。」
「更に次は山雅だ。」
「うーん、最強の敵が続くな。」
三ツ沢の坂を降りる足は軽やかだった。


今日のポイント

● あそこまで走らない狩野には凡人には見えない別のモノが
  見えているに違いない。
● とはいえ、交代のときには、ちょっとは悔しがる素振りでも見せてくれ。
● 良いチームだったカマタマーレ。
● 悪いことをしなくなった西野。









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