malicia witness 2階の目線2011
J1リーグ 11-12シーズン

10月15日 サンフレッチェ広島  日産スタジアム   (石井和裕)

「もったいない。なんで手を打たなかったんだ。」

「完全に采配ミスじゃないか。」
「がっかりだ。」
まだ、優勝の可能性が消滅したわけではない。チャンピオンズリーグ出場圏とは僅かな差でしかない。それでも、この試合で失った勝ち点3以上に、ダメージが大きい。
「動いて、それが間違っていたなら、まだそれはいいんですよ。でも、今日は何も動かなかった。それでやられたから痛いんですよ。だって、選手がいないならともかく、試合を終わらせるための本職がいるんですよ。波戸もクナンもいるのに、なんで…。」
「こんな単純な試合を終わらせるシュチュエーションだったのに、何を迷ったのだろう?」
「解らない。」
「本当に解らないよ。」

多かった失点を1に抑えることが出来た。しかし、この試合も以前と同じようにピッチ上のチグハグさが、まだ随所に見られた。精一杯闘っている選手達をサポートしてあげるのは監督の戦術的な手腕しかないのだ。今こそ、監督が選手達の迷いを解きほぐしてあげるときなのだ。

広島の特徴は大きく2つ。1つめは「攻撃のときは両サイドのウイングが大きくワイドに同時に広がって5トップのような陣形を採る」こと。2つめは「最終ラインからゲームを組み立てる」こと。

序盤、危険な試合の入り方だった。最終ラインでボールをキープする広島に対して、トリコロールの攻撃陣が追い込みをかけるのだ。いわゆる前線からのチェーシングというやつだ。前線が追いかける、しかし、ディフェンスラインは押し上げない。前と後ろの間に大きな空間ができる。広島の最終ラインは技術を持っているので、その空間にパスを入れられる。そこでピンチを招く。「追えよ!」「追うなよ!」声が交錯する。この危険な状態が序盤は繰り広げられた。

そして、試合は、やや落ち着きながらも前と後ろがちぐはぐな状態で後半へ。予想よりも早い時間に俊輔投入。
「中村先生!お願いします!!」
「中村大先生!よろしくお願いします!」
讃岐戦の再現を願う。そして、ゴールが決まり先制点。

この俊輔投入後も、簡単に文字で書けば大成功のように見える。しかし、実際は大問題を抱えていた。
「おいおい、全部を先生にお願いかよ!」
「ちょっとは自分でやれよ!」
「なんで、足が止まっちゃうんだよ!」
「先生に預けたら、今度はパスをもらえるスペースに動けよ。」
俊輔投入が勢いをつけるどころか、逆にチームは停滞。
「先生投入でホッとしちゃうのかなー。」

予想通り、耐えて耐えて、中村大先生の投入により先制点。ここまでは、よかった。しかし、不振とはいえ相手は実力者の広島。ワイドな攻撃布陣と素早いパス回しがボディブローのように効いてくる。
「何で抜かれちゃうんだ!」
「頑張れよ、金井!」
「やられてんじゃねーよ。」
「いや、しょうがないだろ。もう、足の速さは努力しても埋められないんだから。金井がミキッチを止めるには、いいポジションをとるか数的優位で止めるしかないよ。」
明らかに、左サイドは突破を許しすぎだ。しかし、金井が一人で解消できる問題ではない。
「大黒の脚が止まってきちゃったなー。」
追加点を奪えるチャンスが減るだけでなく、このチームの生命線ともいえる全線からの守備に綻びが生じてくる。

つまり、これらの問題を放置したことに失点の原因はある。あれだけ長い時間を押されっぱなしで耐え切れ、というのであれば昨年と同じだ。必ず失点する。ピッチ上には解決策はなく、ベンチが動かなければならなかったのだ。

頭を抱え、不満を吐き捨て、夜の新横浜に向けて歩き出す。痛い、痛すぎる。こんなベンチワークでいい訳がない。選手の気持ちの弱さも気になったが、それにしても、あまりにピッチ上の選手が不憫だ。


今日のポイント

● 失点してピッチに倒れ込んだ選手達。弱すぎる。









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