malicia witness 2階の目線2010
J1リーグ 10-11シーズン

3月6日 FC東京  味の素スタジアム   (石井和裕)

「シーズン明けましておめでとうございます。」
「今年もよろしくお願いします。」
開幕戦ならではの挨拶。もう、何年も、この挨拶を繰り返している。ホームゲームではないため、地方からの観戦組は少ないが、昨年はスタジアムから脚が遠のいていた仲間が何名もやってくる。みな、新しいトリコロールに期待している。はたして木村監督は、どのようなフットボールを見せてくれるだろう。

わずかだったロスタイムは終わり、試合終了を告げるホイッスル。

残念ながら木村トリコロールの第一歩は勝ち点0からのスタートとなった。しかし、そこには、勝ち負けを越えて得られたものがあった。ロスタイムが残されている限り、最後まで勝利を狙って闘い続ける、選手とベンチのひた向きさ、ボールを持てば、まずはゴールに向かって前進しようとする挑戦・・・。ピッチの上にはプロとしての誇りが存在していた。確かにチームとしての完成度は高くない。それでも、私たちにフットボールが帰ってきたのだ。

のびのびとプレーする山瀬、狩野。意外性のあるパスを通し、サイドを鋭く突破する。
「山瀬がドリブルしているのを見るだけでも新鮮だ。」
「確かに!」
パススピードが速い。パスをうけたワントラップ目は足下に収めるのではなく、前へ。ボールを止めない、人も動く。スピード感がキモチ良い。
「これはいいじゃないか!」
「よし!行け!」
「そう来るか!」
自然に声が出る、腰が浮く。
序盤のクロス連発。惜しくもシュートには至らなかったが、木村監督の目指すフットボールが垣間見れた一瞬だった。

練習では不安視されていた守備。

最終ラインの松田・中澤にお任せで、前線から中盤のチェックが効きにくいという噂だった。しかし松田の怪我の功名で最終ラインに不安を抱え、木村監督のチョイスはボランチ2人。これで、自然とスペースを埋めることが出来ている。ただ、ディフェンスラインのコントロールが甘いのか、忘れた頃に何度もピンチがやってくる。

「ヤバい!」
「押さえろ!!」
「助かった!よかった平山で。」
「相変わらず平山はもたつくから助かるね。」
「いやー平山はチャンスにミスするからって安心しちゃダメだ。あいつ、変なのは決めるからな。うちは、何度もやられてるんだよ。」

そして、結末は平山のゴール。中澤までもがオーバーラップし勝ち点3を狙うロスタイム。攻撃を跳ね返される。
「やばい!ボールが収まっちまった。」
ボールは前線の赤嶺の足下にピタリとスピーディに入る。ちょうどバレーボールでサーブレシーブがドンピシャにセッターに戻るような感じだ。赤嶺からサイドの石川へ。
「これはヤバい!」
小椋が石川を押さえに動く。
「押さえろ!」
「頼む!」
「あっ滑った!」
「馬鹿やろう!!」
石川がドリブルのスピードを緩めた。それは明らかに誘いなのだが、まんまと小椋は引っかかり、しかもまさかのスライディング。声援は悲鳴に変わる。
「逆サイド見ろ!」
ゴール前には赤嶺が走り込んでくる。ファーサイドには平山が。そして、そこにボールが送り込まれてジ・エンド。

若い金井はミスが多かったが、昨年とは違い、十分にゲームに入れていた。新加入の藤田は持ち味を存分に発揮した。決定機は少なく、勝ちが近かったかというと、そうは言えなかった試合だろう。でも楽しかった。早すぎた昨シーズンのクロズから、やっと待ちに待ったシーズンが開幕した。この喜びを誰もが隠すことはない。次の土曜日が待ち遠しい。


今日のポイント

●シュートが少ない。
●スタジアムの空気を変える石川の登場。
●真っ白に見えたセカンドユニフォーム。
●ハーフタイムは藤田の話題から。
●今年の判定基準はこれでいいのか高山主審。
●何度靴ひもがほどけたのか高山主審。

[今日の査定]輝く未来が見えるぞ。











メンバーが持参した横断幕。木村和司現役時代に掲出していたもの。この日のために保管されていたのだ。


1F、2Fとびっしりと入ったビジタースタンド。
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