malicia witness 2階の目線2010
J1リーグ 10-11シーズン

10月24日 鹿島アントラーズ  鹿島国立競技場   (石井和裕)

試合終了のホイッスルが静かに鳴る。顔を上げられるず、選手たちがゴール裏スタンド前にやってくる。選手だけではなく役員も列に加わる。スタンドは、どのように選手たちに声をかければ良いのかとまどう。得点差以上の完敗。まったく歯が立たなかった。しかし、間違えなく選手たちは全力で闘った。足取りが重いのは悔しさからだけではない、きっと。


「これはまずい。」
「スペースがないなー。」
試合開始早々から、唸るような言葉が出る。ホームで大敗していた記憶はあるものの、ここまでコンパクトに、そして徹底された戦術を目のあたりにして、尋常ではない大苦戦を予測する。鹿島は、鹿島であるべく90年代から積み重ねた基本戦術がある。サイドでの守備の方法は、その典型。相手に前向かせず、横からもプレッシャーを欠けて、更にはフォワードが前からも囲み込んでボールを奪う。これが、一瞬のうちに起きる。トリコロールは、もう20年近くも、この方法でボールを奪われ続けている。

さらに、今回は、高い位置からの守備がトリコロールに圧力をかける。特にはフォワードの最前線に4人が守備のブロックを作ってトリコロールのパスコースを塞ぐ。サイドにパスを繋いでもすぐに囲まれる。精密機械のように、まったくスペースに穴がなく11人が左右に動く。そして、ボールを奪うと、ポンポンポンと簡単にパスを繋いで、あっという間にゴール前にたくさんの選手が飛び込む。規律と戦術の中で、個人個人が個性的な玉さばきを盛り込む。

私たちは思い知った。鹿島の攻守の切り替えと比べると、トリコロールのそれは、あまりにスピードが遅い。一対一のドリブル勝負に見えて、鹿島の場合は近くに走り込む選手がいるので、ディフェンダーは2人の選手を相手にしなければならない。けっしてトリコロールの選手たちがドリブル技術を持っていない訳ではないということも。足下パスを連続して繋ぐことが、いかに無意味であるかも。

新聞報道によれば、この試合の後に、木村監督は戦術ミーティングを増やすことを決めたようだ。目の当たりにして、私たちに不足していることを理解できた試合だった。そして、この劣勢の中で選手たちがもがき苦しんで、最後まで闘い切ることができたことは収穫だったに違いない。

けっして無駄ではない、上に登るための通過点。今年唯一の国際試合はほろ苦い思い出とともに終わった。でも、長い帰国の道のりは重苦しいものだったか。いや、希望が見える会話に満ちあふれていた。ラストスパート。アジアへの道は、まだ見える。

今日のポイント

●ビデオで見たらPK判定は妥当だった。
●PKを外しても主導権を譲らない鹿島の強さ。
●オフサイドポジションにいる時間が長い端戸。
●脅威を与えたユウジーニョの飛び出し。

[今日の査定]勉強になりました。












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