malicia witness 2階の目線2010
J1リーグ 10-11シーズン

11月23日 浦和レッズ  日産スタジアム   (石井和裕)

惨敗だった。この2週間で今期の全てを失った。スタンドは静まり、選手の挨拶を待たずにバックスタンドはガラガラになった。なす術無く完敗の展開でもコールを続けたゴール裏もブーイングに転じた。

確かに選手起用に問題はあるだろう。守備戦術の欠如は甚大で、両サイドを大きく素早く使う対戦相手には歯が立たないことは判る。それでも、ピッチ上の選手たちに、せめて意地を見せてほしかった。それすらも感じられない試合になってしまったことが得点差以上の虚しさを感じさせる。最も闘志を燃やしていた松田は限界だった。彼が相手選手に吹っ飛ばされて尻餅をつく姿を見たのは初めてだ。いつまでも松田に頼り切っていることが、このクラブの弱さの象徴とも言える。

巧い選手はいるが強い選手がピッチにいない。巧い采配を目指すが強いチーム作りが出来ない。ここ数年間の悪循環は臨界点に来ている。クラブの伝統を引き継ぎながらも、そろそろリセットが必要だ。

時は先週、天皇杯での出来事。メインスタンドで応援するマリーシアメンバーは目撃した。

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サイドにボールが出そうになった時、追いかけてきた俊輔が失速して走りを停めた。
中央から俊輔に向かって怒鳴る直樹が居る。

・・・おい! 
(ボールを)追いかけろよ。
最後まで諦めずに追いかけろよ!!!

失点が重なり下向き加減の田代がモタモタとボール処理をしていると
直樹が近付いて来て叫んだ。
試合後半の後半だった。

・・・やる気がないなら(ボールに)触るな。(ボールを)持つな!!!

・・・気持ちを入れろよ。強く持て。イヤなら他の奴と変われよ!!!

冷たい雨に打たれて、寒いし、体は怒濤の仕事で疲れててしんどいし。。。
だけどサイドラインから聞こえてくる直樹の叫び声がはっきりと
耳の中を通り越してハートの中を熱く震えさせてくれる。
情けない程の点差での負け試合だったけど、心身共にしんどかったけど、
行って良かったと心からそう思った。

(ネット上の日記からの転載)


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若い選手は才能に溺れ、指揮官は感覚に頼る。私たちは、時間に取り残されている。選手の補強、放出、コーチングスタッフの補強などなどクラブは対策を講じるだろう。限られた予算とはいえ、親会社の経営状態を考えれば、他のクラブよりも前途は明るい。

あれだけ素晴らしいフットボールと若手の台頭をもっても浦和のフロントはフィンケを切るのだという。それもまた一つの選択肢。彼らは「勝つこと」と「荒々しいプレースタイル」を維持しなければならないのだろう。

私たちが目指すものは何で、次世代に引き継がなければならないものは何なのか。少なくとも、オスカー登場以来の強力守備の系譜だけは守り続けなければならないのではないだろうか。相手にプレッシャーをかけて攻撃を遅らせるだけで拍手が起こったスタンドの風景は、今では希なものになっている。

補強するためには切らなければならない。覚悟が必要な冬が来るだろう。


今日のポイント

● 当たり前のことだが両サイドで数的優位を創る浦和。
● 楔が入らない。
● クロスを中央で跳ね返すのが「戦術」だったことを知る。

[今日の査定]長い90分間だった。












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