malicia witness WM2006惨敗記
1_デュッセルドルフで最後に。

一夜明けたデュッセルドルフは、柔らかな日差しに包まれていた。ホテルには数多くの日本人がいるが、ロビーに奏でる会話は、日差しを更に柔らかくしたような、小さなささやきにしかならない。行き場を失った私たちは、日本へ帰るより他無く、誰もが、残り少なくなったドイツでの滞在時間を有効に使うべく、土産物屋への脚を運んだ。宿泊地、日航ホテルの隣にある三越に売られていたワールドカップ記念ワインは、10時の開店から20分を待たずして売り切れとなった。

私は、この章のみを先に記している。場所は、デュッセルドルフからパリへの旅立つ搭乗ロビーで。

私たちの4年間は何だったのだろう。それが、どうしても表現できない。今朝、テレビで繰り返しオンエアされていたダイジェスト番組で、日本の攻撃シーンは、僅かに得点時のみ、たった1回のみが取り上げられていた。あの玉田のゴール前を横切ってスペースへ飛び出す動きは確かに素晴らしいものだ。ただ、ドイツ国内のテレビ局は、それ以外に、日本のサッカーに取り上げるべきポイントを見つけることが出来なかった。名前をコメンテーターが呼んだのは「タマダ」「ヨシカツ・カワグチ」の2人のみだった。

日本以上に期待を裏切った国、それはアメリカ。だが、アメリカは結果が残せなかったにもかかわらず、やはりアメリカらしいサッカーが何であるかは、世界の人々に、最低限、訴えることが出来ていた。チェコもそうだ(ヤン・コレルがいなければゴールできないことも露呈したが)。では、日本はどうだったのか。日本は何も残せなかった。そして、昨日の試合で最小年齢は25歳。4年後の南アフリカ大会に向けて、強化のベクトルを引き継ぐことすらもできなかった。

8日間のドイツ滞在を思い返すよりも、荒野の4年間を思い返してばかり。搭乗時刻まで、あと40分。私は、まもなく、このドイツを後にする。

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